なお、この日は、既に公開済みの『中川昭一』と名乗る霊との対話も同時に収録しましたので、なかなか有意義な一日でした。
文中の( )内は、文章の意味を補う為の注釈として追加しました。
文中の(*注1)などは、文末に注釈文を追加しました。
では、2009年10月12日収録の『エリツィン霊との対話』をご覧下さい。
管理人:
エリツィンさんについて、前回は間接的に状況を伺っただけ(【エリツィンさんの近況】で公開済み)でしたが、それに付け加えたい事があるとか、誤った箇所がありましたら、教えて頂けますか。
エリツィン霊:
生前思っていた事は表現されている。
死んだ後、目が覚めて、色々振り返って、ロシアが心配で戻ってきた時に、生前見えていなかったものがよく見えるようになった。
管理人:
では、その「生前は見えていなかったけれども、今はよく見えるようになったもの」は何なのかを、教えて頂けますか。
エリツィン霊:
自分の周り、自分の経験した範囲内でしか物事は判断できないから、生きている時には視野の狭さがあったと感じる。
管理人:
視野の狭さを感じてしまったのは、生前にある体験をして、死後に視野が広がってからその時を振り返ると「もう少しこんなやり方があった」とか、「別の選択肢もあった」などという振り返り方もあると思いますが、生前の視野の狭さを感じるきっかけとなった出来事について教えて頂けますか。
エリツィン霊:
自分が大統領の時に、今後のロシアにとって必要な事を常に考えて動いてきたけれども、物事を見る時に――まぁ人間なら誰でもそうなんだろうと思うけれども――ロシアの枠から出て考える事が出来ない。
管理人:
ロシアの枠から出て、というのは、たとえて言うと…。
エリツィン霊:
あくまでも井の中の蛙であって、どんなに色々な知識を吸収しても、どんなに色々な所を参考にしようと思っても、やはりロシアの中でしか物事を考える事が出来なかった。
管理人:
それはそれで理解できるのですが、そう感じるようになったきっかけとなる物事があると思うのですが。
エリツィン霊:
生前からプーチンさんをずっと見てきて、生前は「プーチンさんはちょっと若いな」と、若さ故の未熟さを感じていたのだけど、死んで霊界へ行って、再び戻ってきた時に、プーチンさんが、大統領であった頃の自分に重なって見えた。
ロシアの枠から離れたところから物事を見るのが、「出来ていないのだな」と感じた。
管理人:
もう少し具体的に行きたいのですが、プーチンさんは現在首相ですけど、実質的なロシアの最高権力者として、実権を握っているじゃないですか。
そのプーチンさんがロシアを率いていく上での、例えばどの様な政策に色濃く表れていると思いますか。
エリツィン霊:
(「政策とは違うけれども…」という霊媒のコメントに続いて)どこかで旧ソ連を引きずっていて、まだまだパワーゲームをしているように見える。
そんな時代は終わりつつあるのに、まだまだそういう部分が垣間見える。
管理人:
それは私も垣間見えます。
エリツィン霊:
プーチンさんがやりたい事も分かるし、目指しているものも理解できるのだけれども、もうちょっと「一歩引いて世界を見る」ゆとりがほしい所だ。
管理人:
ただ、今のプーチンさんが置かれた状況を考えると、それが正しいとも素晴らしいとも思わないけれども、同情できる側面はあるのかなと思います。
ロシアという国は、1998年に経済危機に陥っていますよね。
ソビエト崩壊に伴ってロシアに移行する際にもしばらく混乱したと思うけれども、その後'98年にもう一度経済的な混乱があった。
その後、世界的な景気拡大に伴って、石油を始めとした天然資源の値段が高騰したので、天然資源を主な外貨獲得源としていたロシアの経済が一息ついたと。
そして資源価格が高騰しているうちに資金を貯めて、資源価格の変動に左右されない強靱な経済を作り上げようとして、例えば日本のトヨタの工場をロシアに誘致したり、それなりに独自の考えで動いていた部分が見受けられる。
これまでに経済的に悲惨な経験を積んできた延長上にある出来事と考えると、同情できる部分はある。
ただし、強引な手腕が周囲の反感を買っている部分が見受けられるので、その点には視野の狭さを感じる。
確かに、あのままを続けていても、先はないように思う。
ただ、プーチンさんがあのような姿勢で、現在はそれなりに国家を運営できているから、表面的には落ち着いているようですけど、例えば今後プーチンさんがやり方を変えるとか――今も経済的に厳しくなってきているけれども、今後の展開次第では国内が不安定になる事もあり得るじゃないですか。
エリツィン霊:
「プーチンさんというトップがいて、成り立っている」と言う感覚がある所が、一番の問題なのだろう。
では「プーチンさんを失ったらどうなるのか」を考えると、プーチンさんはもっと後継者を育てて、いつまでも自分が表に立つのではなくて、人材育成が大切だ。
管理人:
でも、難しいね。
結局「人材育成」と言って人を育てても、その育てた人に寝首をかかれるからね。
まだロシアって、そういう国だよね。
まだ民主主義が定着しているとは言えないし。
民主主義が定着していれば、選挙で当選するか、落選するかで終わりなのだけど。
落選した人は、次の選挙で当選するように努力すれば済む事で。
エリツィン霊:
だから問題。
権力を欲している人にとっては、「プーチンは邪魔だ」となる。
プーチンさんが頼みの綱となっているという事は、そういう事だ。
そういう状況は問題だろう。
管理人:
そういう状況にあるという事は、プーチンさんも自衛策を講じなくてはならないから、当然強硬的な手段に及ぶ事もある。
エリツィン霊:
まだ未成熟な社会だから、仕方のない部分もあるだろうけれども、プーチンさんの年齢的にも、限界が近づいてきている。
どんな思いであっても行き過ぎは良くない。
ある程度バランスを取らないと、返って自分の首を絞めてしまう。
管理人:
そうは言っても、なかなか難しいですね。
「行き過ぎは誰にとっても良くない結果を招く」という、その社会での共通認識があれば、お互いに行き過ぎないところで矛を収めて、ある程度の枠の範囲内で物事の決着が付くのですね。
ところが、誰か一人が「行き過ぎは良くない」といっても、その人とつばぜり合いをしている相手にそういう認識がなければ、やり過ぎてしまうかも知れないし、その為に自分が酷い目に遭うかも知れない。
だから、一人で「やり過ぎは良くない」というのも、なかなか難しいのでは。
エリツィン霊:
個人で見た場合もそうだけれども、国としてみた場合もそういう事が言える。
国と国との関係だから、当然相手があるのだけれども、他の国の人だから考え方も文化も全く違う人と付き合う事になる。
ただ、自分も死んでから分かった事だしなぁ。
管理人:
なかなか難しいですね。
エリツィン霊:
やっぱり自分はロシアを愛しているから、サポートして行くつもりだ。
管理人:
ここで話は変わりますけれども、将来、ロシアとドイツが中心となった、いわゆる『東EU』が出来るのではないかという観測が一部にあるのですが、どの様に思いますか。
エリツィン霊:
非常にいい事だと思う。
なぜかというと、今までは(ロシアは)孤立した状態で「俺は強いんだぞ」という意識が強かった。
でも、そうやって一つの共同体として、多数の国々と一緒にやって行くとなると、バランスを考えながらやっていく必要性が出てくるから、人々の考え方に柔軟性が出てくる。
それは、民主主義国家を目指している事を考えると、とてもプラスになるだろう。
管理人:
ただし、そうなる過程か、そうなった後かは分からないのですけど、いずれシベリア方面を手放す必要があるように思います。
結局EUの一国として居続けるのであれば、より欧州側に関心が向いてしまうのだから、シベリアを始めとしたアジア側の地域を手放した方が、ロシアが一国として一つの方向を目指す際にやりやすいと思う。
それに、今は広大な領土を維持するだけでも大変な労力を費やしていると思いますが、いかがですか。
エリツィン霊:
自分達の力を示す為に領土を広げてきたけれども、自分達が欲しければ奪うという意識からの決別というか…。
ただ、もし手放す事になるとしても、領土の問題だから、あっさり放棄するわけにはいかないから、隣接する国々との間で協議することになるだろう。
管理人:
隣国との協議もあるけれども、むしろ国内として自らの領土を手放す事に納得しないのではないでしょうか。
実際に手放して「私たちはEUの一員として生きていきますよ」となった時に、結果としてはロシアの人々にとっては良い結果を導き出せると思いますけど、その結果を見るまでは、領土を手放す事にロシア国民は納得しないと思うのですね。
今まで領土を維持する為に多大な犠牲を払ってきたのですから、いきなり手放せと言われても無理ですよね。
だからといって、いきなり全ては無理だから、少しずつ手放していこうと言っても、それも無理ですよね。
エリツィン霊:
一度国がどうにもならない事態にならないと、そこは難しいだろうね。
管理人:
なぜその様な事を言うかというと、私たちも色々な霊界の住人と話をしていまして、各国の国境を管理している霊団の方と話をした時に(*注1)、その様な話が出ました。
ロシアは本来はシベリアの方まで領有するべきではなくて、余計なものを維持しようとするから負担が重くなるのだと。
日本との間でも北方四島の問題などがありますが、ロシアが北方領土を領有するなど以ての外だと、そういう話がありました。
私たち(霊媒M&管理人)もその通りだと思います。
ロシアも一時期、(ソ連として)米国と対立していた頃の、二大スーパーパワーからは衰えてしまったけれども、それでも世界で有数の軍事強国である事に変わりはないでしょう。
ですから、日本にとっても脅威であり続けているのですね。
そういう国が、余りに発展して、その発展していく中で得た余力を軍事力強化に注がれてしまっては、隣国の日本としても困るのですよ。
だから、足を引っ張るわけではないけれども、日本とロシアにとって北方四島の問題が、両国の関係を妨げる「喉に刺さった骨」のような役割として存在し続けた方が良いと考える人が、実際に日本の中にもいるのです。
エリツィン霊:
それをやっている限り、ロシアは発展できない。
要するに、そういう考え方だから発展できないと言う事を、分かっていない。
管理人:
それから中国との関係で言うと、シベリア方面のロシアの国境付近の町に中国人が労働者として流れてきて、ついには、元々から住んでいるロシア人よりも中国人の人口が上回る町も出てきて、「こりゃまずい」とロシア当局が慌てて中国人を追い出し始めたという話もあります。
エリツィン霊:
昔は良いように利用してきたものが、今は自分の国にとって脅威となって、しっぺ返しを受けている状況だろう。
自国だけではどうしようもなくなった場合は、他の国にも協力を要請する事になるだろう。
管理人:
他の国に協力を仰ぐにしても、その国に対して協力する際の見返りとなる条件を求めてくるのではないですか。
その条件を呑まないと、恐らく協力してくれないのじゃないですか。
そういった交換条件を求められた際に、どうするのでしょうね。
エリツィン霊:
今は何とかなっているから…。
ただ、中国自体の動きも、最近は――だから、今は読めない。
管理人:
いずれEUが、いわゆる西EUと東EUに分かれるという観測がありまして、その流れに沿って続けますけれども、今後ロシアがEU諸国と歩調を合わせて行くようになるだろうと。
そこで、EUと歩調を合わせて行くとなると、今霊界で進行中の『霊界と地上界の繋ぎ目としてのバチカンの拠点開放活動』(*注2)と大きな関係が出て来ると思います。
今、ロシアまでを含めた欧州の中で――かつては資本主義陣営と共産主義陣営の、片方の主導的な国家として運営してきたのだけれども、資本主義陣営の前に破綻してしまったじゃないですか。
そのやり方では駄目だと。
今度は資本主義の国家運営を見習いましょうという事で、取り組んでいる最中ですよね。
その様な中で『バチカンの拠点開放』に伴う大規模な価値観の転換期が訪れると、他のEU諸国と比べてもかなり厳しい状況が訪れるのではないかと思うのですが、いかがですか。
そういう意味では、東欧諸国もロシアと同様かも知れませんけど。
EUの中でも、例えばイギリスやドイツやフランスなどは、これまでに築き上げてきた富の蓄積があるので、今後社会の仕組みが根本的に変わるような事態が起こったとしても、これまでの蓄積の分だけ、価値観の転換に伴う衝撃の影響を和らげる事が出来ると思うのですね。
ロシアには過去からの蓄積が限られている分だけ、厳しい状況になると思うのです。
過去に貯めてきた余力の差の分だけ。
エリツィン霊:
そうなった時に、ドイツの持っている技術がとても大きな助けになるとみている。
他国との関係を結ぶ上での交渉の仕方が、今までと大幅に変わってくるだろう。
管理人:
それが変わってくるには、交渉の仕方が変わっても、それを許容できる国民がいないと、なかなか難しいですね。
エリツィン霊:
国のあり方は、そのまま国民の心に反映してしまう。
自分達の今までの態度の結果なので、しばらくの間は混乱するのは仕方がないだろう。
管理人:
混乱するのは、これまで自分達が他国に示してきた態度の結果だから、しょうがないと割り切れる人がどのくらいいるのだろう。
エリツィン霊:
多分、理解できない人が殆どだろう。
管理人:
そうやって割り切って、今後それを挽回するとか、自分達への印象を変えてもらおうと前向きに考えて、建設的な努力を傾ける人がどのくらいいるのかなと。
エリツィン霊:
ロシアは民主主義にしようとなっても、まだまだ強いリーダーがいて、納得させてくれる理由をちゃんと掲げてくれる――強いリーダーがいて導いてもらって、初めて動ける状態。
他の民主主義国家と比べたら、ほど遠い。
管理人:
当面はしょうがないですね。
当面は民主主義が国家を運営する上で最も有効な仕組みなのだろうから。
エリツィン霊:
しかもまだまだ使いこなせてはいないから。
管理人:
では、プーチンさんに対してアドバイスがあれば。
プーチンさんでなくても、今の大統領(メドべージェフ氏)に宛てても良いですけど。
エリツィン霊:
さっきも言ったけれども、国民はまだまだ強いリーダーを求めているけれども、やり過ぎると引き返せなくなるから、バランスを見た方がいい。
(後略)
*注1:
このエピソードは、2009年の9月に、私と霊媒Mが青森県の恐山を訪れた際に、本州最北端の地である大間岬に足を伸ばしました。
その際に霊媒Mへの接触を図ってきたのが、『国境を管理する霊団』とも言うべき霊団が存在し、国と国との間の影響が強まりすぎないように、いわゆる霊的な壁を築いて調整しているとの話を伺いました。
現時点では未公開となっておりますが、日本の現状を考える上で非常に参考となる情報を得ておりますので、いずれ機会を見て公開したいと考えております。
*注2:
これは他の記事でも度々取り上げておりますが、現在、霊界から地上界に向けての大きな働きかけが行われております。
それが、霊界と地上界を繋ぐ接点としてのバチカンの拠点開放活動です。
バチカンの拠点開放については、
以下
【日本の役割(メッセージ13)】
【メッセージを地上に送る理由2(メッセージ33)】
【バチカンの拠点が開放される理由(メッセージ44)】
エリツィン霊 &【Silvercord】管理人
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