諸事情によりしばらく時間が空いてしまいましたが、今回は記事
【思考が形となって現れている】のコメント欄にお寄せ頂いた、匿名様とA様からの関連する二つの質問について、『松下幸之助』と名乗る霊の回答が届いておりますので、ご紹介したいと思います。
■ 匿名様の質問
私自身は拝見していないのですが、ずいぶん前にソニーの盛田氏との対談の中で、進行役の方が「(製造コストなどのために)海外に拠点を移すことは考えないのか」と質問なさったところ、お二人とも「そんな売国奴みたいなことができるか!」とお答えになっていたと聞きました。
その後のグローバル化の中で、結果的に両社とも海外拠点を作る事にはなりましたが、松下さんご自身が「国益」を軽んじるようになられたとは思いませんし、開塾に際してもその理念をお持ちだったのではと考えます。
しかしながら、現在活躍している松下政経塾出身者の多くはその点を一切学んで来なかったように見受けられます。
入塾者は小さな子供ではないのですし、何を学ぶか学ばないかは本人の責任であることは承知しているのですが、現在の松下政経塾の理念は、開塾当初ご自身が抱いておられたものと同じでしょうか。あるいは変わってしまったのでしょうか。
同じであるならば、日本が国旗国歌法を制定して自国の国旗と国歌に敬意を払う事を義務付けなければならなくなってしまったように、「国益を最大限重視する」のが当然だと、手取り足取り教えられなければわからない人ばかりになってしまったからなのでしょうか。
変わったのだとすれば、どこが変わったとお感じになるか、松下さんのお考えをお聞かせ頂けましたら幸いです。
■ A様の質問
松下さんが作った政治塾の出身者に現実問題として
高市早苗氏以外、ろくな政治家がいなく、
そういった人間を輩出したのは松下さんの責任でも
あると思いますがその責任については松下さんはどのように考えますか?そんな塾を作ったこと自体、そもそも
おごりのような気がします。
政治家は何かやりたい事があって本来目指すべき職なのにに
政治家になるのが目的となってそれに松下政経塾がいいように利用されたのです。松下さんはその辺り読みが甘かったという反省はありませんか?
■ 『松下幸之助』と名乗る霊の回答
長い間お待たせいたしまして、大変申し訳ございませんでした。
しばらく時間を置いた後に回答した方が良いと判断いたしましたので、今まで回答を控えさせていただいておりましたが、その事でご不快に思われた皆様には申し訳ない事をしたと思っております。
心よりお詫びいたします。
関連性がありそうなご質問を同時期にいただいておりましたので、お二方のご質問をあわせまして回答させていただきたいと思っております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
松下政経塾を開設した理由を簡単にご説明申し上げますと、次世代を担う若者が学ぶ場所を造る事で社会に参加する機会を増やし、未来への可能性を広げる場として機能することで社会に貢献するというのが目的でした。
政経塾出身者達が塾に在籍中に起こした不祥事であれば塾側の責任が問われる事になると思いますが、塾を卒業されて一社会人として活動される中で個人の判断で選択された結果までは責任の範疇外であると思います。
社会人として活動しておられる時点で、自分の選択の結果は自分自身に責任がある事はきちんと認識できている必要があります。
ただ、「松下政経塾」という名ばかりが先行し、政経塾出身者は皆有能であるかのような認識を広めてしまった事と、それらの認識は誤りである事をきちんと説明していない事には問題があると思います。
それらの影響が政経塾出身者に思い違いをさせる可能性も否めません。
これは松下政経塾の責任において訂正される必要があるでしょう。
松下政経塾というのは、あくまでも塾です。
いくら政経塾を卒業されたからと言って、いきなり熟練の方々に肩を並べる事など出来ません。
熟練の方々とは経験も知識も比べ物になりません。
それこそ雲泥の差があるのです。
塾で学べるのは基礎ですから、卒業しただけではまだスタートラインにも立っていない状態です。
実社会において本格的に活動を始めてからが本番なのです。
熟練するためには、実社会において日々コツコツと実績を上げる努力が必要になります。
10年、20年、30年とコツコツ実績を上げて初めて熟練者になれるのです。
とても地味で根気の要る作業の日々が続きますが、それら日々の努力が後に大きな成果を残す事になるのです。
派手で目立つ事柄は周囲からとても注目されやすいのですが、その事に満足して努力を怠り人心を侮るようになると、最終的には自分自身が世間から侮られ、誰からも相手にされないようになってしまいます。
兎と亀の童話を皆様もご存知であろうと思いますが、自分の力を過信して相手を侮っていると、いつの間にか立場は逆転し、侮っていた相手にあっという間に追いつかれ、仕舞いには追い越されてしまう結果となります。
私は何人もその様な方を知っております。
現状に満足して努力を怠っては、いずれ泣く破目になるのは自分自身なのです。
自信を持つことはとても大切ですが、過信は人を駄目にしてしまいます。
現状に満足しきって歩みを止めてしまっては、何も新しいものが生み出されない環境が出来上がってしまいます。
どこまで行っても完成される事は無く、まだまだ成長(改善)の余地があるのだという意識を持つ必要があるでしょう。
更なる成長を求めるからこそ人は日々進歩し続けることが出来るのだと思います。
塾を卒業したばかりの頃は、ただ基礎知識を有しているだけの状態です。
実社会で活動を始めるための下準備が出来たというだけの話なのです。
それらの基礎知識を活かして実社会で実践できるかどうかは、ご本人の取り組み方に係わってきます。
何事においても同じだと思いますが、大成されるのは日々の努力を惜しまずにコツコツと実績を上げられる方々です。
作業過程は地味で目立たず忍耐の日々です。
時には悔しい思いをすることもあるでしょうし、挫けそうになることもあることでしょう。
その様な方々が一躍世間から注目されるようになるのは、今まで成し遂げてきた仕事が認められたときです。
長年に亘り努力を続けた成果として確かな実績があり、その働きが評価されたからこそ人々に関心を持っていただけるようになるのです。
充分に実績を上げるほどの時間も経過しないうちに、表面的な華々しさだけで世間に認められる事ほど奇妙な現象は無いと思います。
日々の暮らしを考えた時、一番重要なのは国であると思います。
国を守る事が自分達の暮らしを守る基本であるという事を意識する必要があるように思います。
国が混乱する事で社会秩序が乱れ、自分達の暮らしを破壊する要因となる事に気付かれた方も最近では増えつつあると思います。
国益を考えるという事は、自分達の暮らしを考える事に繋がるという認識が世間に広がる事で、今抱えている問題は徐々に改善されてゆくと思います。
国に対しての認識が薄いという事は、これまで危機感を覚えるような場面に遭遇する機会が少なかった方が国民の大多数であるからだと思います。
ところが最近では様々な現象が表に見え始め、また、自分自身の暮らしに影響が出ることで危機意識を持つ方も徐々に増えてきているように思います。
国民にとって何故国が重要な存在であるのかを、今一度考えてみる機会を設けると良いのかもしれません。
国は国民のためにあり、国民は国を守ることで自分達を守ることに繋がっているという原則を再確認できれば、国の重要性を充分認識できるようになると思います。
そうすれば、国益を考える事の重要性も自然に認識できるようになる事でしょう。
人々の思いが現象を生み、それがやがて世間に定着してゆく事を考えれば、日本の行く末がどのようなものになるのかは、今現在生きておられる皆様の思いと行動にかかっているといえると思います。
さて、最後にもう一つだけお話しておきたい事があります。
私が傲慢な偏屈爺であろうと、物分りの良い親切なお爺さんであろうと、語っている事が綺麗事であろうと、真実であろうと、日本にとって今一番必要な事柄や皆様が成すべき事柄には何も変わりはありません。
人は皆、自分自身の考えを基にして発言し、行動します。
それらは共感できる場合もあれば、反発したくなるような事柄の場合もあることでしょう。
それでも、皆様が成すべき事に変わりはありません。
目標が変わらない限り、必要とされる事柄は何も変わらないのです。
周囲の言葉に惑わされ一喜一憂する事もあるかもしれませんが、いつでも一番大事なのは目標をきちんと見据えている事です。
自分が掲げる目標を見失わない事が成功への道標となります。
過ちに気付いたら軌道修正する必要がありますが、そうでは無いのであれば、惑わされて目標を見失い自信を喪失することが無いように自分自身を鼓舞し、日々の生活に励みましょう。
どんなに些細に思える事柄でも、日々の蓄積は後に必ず成果に繋がります。
努力をして無駄になる事は何一つ無いのです。
最後までお付き合いいただきまして、まことにありがとうございました。
日本の安全と安定が実現され、皆様が安心して暮らせる日が一日も速く訪れますように心よりお祈り申し上げます。
どうぞ、何があっても諦める事なく、日々を大切にお暮らし下さい。
それでは、今回はこの辺りで失礼させていただきます。
(2011年11月25日)
既にお気づきの方もおられると思いますが、A様の質問は前回投稿の記事
【松下幸之助氏と松下政経塾について】の再掲となります。
さて、今回の『松下幸之助』と名乗る霊の回答について、ご覧の皆様はどの様な感想を持たれましたでしょうか。
このテーマについての管理人の意見は前回投稿の記事で述べておりますので、ここでは繰り返しません。
ただ、現在の日本の政治に問題があると感じておられるとしたら、私たち有権者にはその問題を解決する為の手段をとる事が出来ます。
支持する政治家に対して、具体的な政策に付いての意見や要望を伝える事によって、政治家は支持者の声を明確に把握できるようになります。
政治活動に対する支援や声援は、政治家の皆様に取って大きな励みになるでしょうし、理に適った忠告や諌言であれば、政治家の皆様が自身の行動を改めたり戒めるきっかけとなるかも知れません。
また、政治家の皆様の意見を良く聞く事によって、かつては支持できなかった政策についての理解が深まり、支持できるようになるかも知れません。
その様にして政治家と有権者の意志疎通を円滑にすることによって、政治家は民意を政策により良く反映できるようになり、有権者は政治と国民生活の関係に対する理解を深め、より広い視野から政治についての判断が出来る様になります。
そういった働きかけを経て、それでも私たち有権者の代表に相応しくない政治家の方には、選挙を通じて政治から身を引いて頂かなくてはなりません。
この様な姿勢で政治家の皆様と接していれば、選挙の際にも「松下政経塾出身議員だから」とか、「○○党の議員だから」といった肩書きに惑わされずに、政治家個人の資質と実績に基づいた判断が出来るようになるのだと考えております。
Silvercord管理人
11月25日現在回答待ちの質問
ご覧の皆様からお寄せ頂いた質問のうち、以下のものについては回答待ちとさせて頂いております。
中には長期間お待たせしている質問もございますが、只今順次回答しておりますので、今しばらくお待ち下さい。