八王子城跡と言えば心霊スポットとしても名が知られているようですが、この度は霊媒の希望があって訪ねることと致しました。
これまでにも心霊スポットとして名の知れた場所を何カ所か訪ねておりますので、それらの経験を踏まえて「仮に何らかの霊がいたとしても、人に害を及ぼす様な存在なのだろうか?」と、疑惑の念を秘めつつ足を踏み入れたのですが…。
■ 霊媒Mの体験
以前、管理人様から八王子城跡のお話を聞いて以来、何故か分からないのですがとても気になっていました。
今回は生憎のお天気でしたが、無事に訪れることができました。
雪が降っていましたから、さすがに訪れる方はおられなかったようで、私たちの他には管理されている方がおられるだけでした。
敷地内に入ってから途中まではあまり気にならなかったのですが、頂上へ至る途中の八合目の表示がある場所から九合目の表示がある場所に至る途中の道で、突然今までと違う空気を感じました。
そして「帰れ!帰れ!」と追い立てられているように感じました。
相手の方々は私を追い出したいのですから、押し戻すような不快なエネルギーが迫ってきました。
最初は何故追い出そうとしているのか訳が分からなかったので、そこで一旦足を止め、何故追い出そうとするのか聞いてみました。
そして、どうやら八王子城を守っていた方々が死しても(ご本人達は生きているつもりでしたが)なおこの地を守り続けているようであるという事が分かりました。
私が話しかけたことで彼らは戸惑いを隠せない様子でしたが、彼らの敵意が薄れてきたので私は歩きながらさらに会話を続けました。
どうやら侵入者は皆敵であると認識されていたらしく、私は敵では無い事、もう戦は終わって長い月日が経過している事を彼らに説明してみることにしました。
城主も敵も既にお亡くなりになっている事、そして、あなた方もすでにお亡くなりになっているのだとも説明しました。
彼らは意外にもあっさりと言葉を聞き入れてくれたようでした。
「今までそんな事を説明してくれる人はいなかった」と話していました。
仲間以外にお話できる人に出会えて嬉しかったようで、他にもいろいろお話してくれました。
今まで自分達の声に答えてくれる人に出会えなかったそうで、話が通じないという事がとても不安であったようです。
声を掛けても全く無視されるし、武器で威嚇してもあまり効果が無いし、訳の分からない事を勝手に喋っているし、一体何がどうなっているのか分からず、兎に角追い返すしかないと思っていたようです。
今までも大勢の人々がこの地を訪れており、その度に侵入を阻止しようと威嚇したり武器を持って切りかかっていたのだそうですが、皆平気な顔をして近付いてくるし、突き刺しても切りつけても全くダメージを受けていない上に、自分達の身体をすり抜けて行ってしまったそうで、初めて経験した時には本当に腰が抜けそうなほど恐ろしかったそうです。
自分の死を認識していない彼らにとって、触れる事が出来ずに自分の身体をすり抜けてしまう存在は「妖か化け物であるに違いない」と恐れ戦いていたのだそうです。
彼らよりも現代人の方が身体も大きく見上げるほどであったようで、その体格差も恐れる要因の一つになっていたようでした。
その上、見たこともない着物を着ていたし、彼らにとって人間のようで人間ではない私たちの存在は本当に恐ろしかったようです。
彼らはもう長い事、敵兵ではなく得体の知れない化け物たちの侵入を阻止する為に城を守り続けていたようです。
ですが、彼らの努力も功を奏さず、勝手に新たな道を作られたり、新たな建造物を作られたり、荒らされ放題で途方に暮れていたようでした。
私たち人間の側からすれば維持管理する為にしていたことなのですが、彼らにとっては他所者が我が物顔で傍若無人に振舞っているように思えたようでした。
彼らにとっては少しでも侵入者の気配がすると本当に恐ろしかったそうですが、心霊スポットとしても有名になってしまった為にますます訪れる人が増えてしまい、必死に追い返そうとしていた事がかえって仇になっていたように思います。
よく化け物と思えるような存在である私の話を聞いてくれたものだと思いましたが、彼らが警告を発した際に私が足を止めた事で話が通じた事実にまず驚き、話しかけたことで自分達に危害を加えようとしているわけでは無いと理解してくれた結果のようでした。
彼らが死を悟った後は、自分達の置かれた立場などの実状を理解するのがとても早かったように思います。
雪が降って大変足場が悪かったのですが、「帰りは麓までお見送りさせてください。これが最後のお勤めですから」と言ってずっと側につき沿っていてくれました。
道中「出来る事なら手を引いて差し上げたいのですが、触れ合うことが出来ないので大変申し訳ない。滑らないように充分気をつけてください。」と話しかけてくれましたし、とても紳士的な方々であると思いました。
八王子城跡の敷地内から彼らが出る事はありませんでしたが、私たちが駐車場に向かう間、確か五人だったと思いますが横一列に整列して深々とお辞儀をしてお見送りしてくださいました。
とても礼儀正しく紳士的で善良な方々であったというのが、彼らと接してみた私の印象です。
些細な誤解やすれ違いから互いの存在を恐れ反発しあった事が、この場所が心霊スポットとして有名になってしまった結果であるように思いました。
ただ、天気が悪かった為に本丸跡地などには行かず八王子神社までしか訪れなかったので、もし仮に本丸跡地の方にも何かあったとしても今回は確認できませんでした。
もしかしたら、まだ何方かおられるかもしれませんね。
ですが、もし仮にまだ何方か留まっておられたとしても、恨みや憎しみが篭った怨念などというような恐ろしいものではないように思います。
■ 八王子神社の神様の説明
死してもなお己の死を理解できず、その場に留まり生前と同じ行動を繰り返す。
このような現象は、数多く存在しています。
活動していると言う事はエネルギーを発しているということですから、例え肉体を失っていても人間の皆様に対して何らかの影響があることは否めません。
城への侵入者を追い返そうと武器を持って待ち構えていたようですから、人間の皆様には不快に思えるエネルギーを発していたのでしょう。
城を警護している彼らにとっては、人間の皆様は勝手気ままに領内を荒らす侵入者と思えていたようですから無理も無い話です。
彼らは時間の感覚が曖昧なため、実際には長い時間が経過していても、その事実に気付くことなく同じ作業を黙々と繰り返してしまうようです。
私が何度呼びかけてもなかなか気付いていただく事が出来なかったのですが、今回のあなた方のご訪問が一つの切っ掛けとなり、彼らもようやく己の死を悟ったようです。
関心を向けている事柄しか認識できないために、私の呼びかけには気付けなかったようです。
私の呼びかけに答えることは、即ち己の死を理解したということですから、仕方の無い事であったのかもしれません。
これでようやく彼らも新たな目標へ向けて一歩前進できます。
(2011年2月13日)
ちなみに、こちらが八王子城本丸近くにある八王子神社です。
霊媒の話によると、こちらの天狗像には霊が宿っているとのことでしたが、詳しくは分かりませんでした。
【Silvercord】管理人
2月13日現在回答待ちの質問
下記のご質問につきましては、回答に時間が掛かっておりますので、しばらくお待ち下さい。
- 記事【悪意は撒き散らした本人に還る】のコメント欄からお寄せ頂いたbaseheat様の質問「人に課された使命と、悪意を乗り越える術」について
- 記事【狡さと賢さは別物】のコメント欄からお寄せ頂いたはつゆき様の質問「欧州と中国で、行動の中心にある概念が異なる理由」について
5 件のコメント:
心暖まるお話ですね。
八王子城を守っていた5人の方々の人柄が伝わってきました。
みな私たちと同じ普通の人たちで、職務をまっとうされようとしていたのですね。
無事成仏されますように。
こんにちは。今回も寒い中ご苦労様でした。
今回のこの霊媒Mさんのお話を読んで、映画「Others」を思い出しました。
霊界では、映画の中であったような事が本当に起こっているのですね。とても興味深いお話でした。
八王子城のお侍さんたちがとても紳士的だというのも、その当時の日本の教育や躾の質の高さを物語っているようです。
ぜひまたいろいろなお話を聞かせてください!
たらこ様
あやめ様
私たち人間がいわゆる心霊スポットに足を踏み入れた場合、敏感な方は不快感を覚える場合もあるでしょうが、亡くなってしまった自覚の無い霊から見た私たちも、妖や化け物の様に見られてしまうと言うのは、ちょっと不思議で面白く感じました。
この様な場所が他にもありそうな気がします。
今回のお話を読んで、霊界であろうと現世であろうと、お互いの意思疎通がうまく図れていない時に起きることだと思いました。生きている人同士、国と国でも、生きてきた背景、文化の違い、それぞれの欲得のポイント等からくる、相手に対する思い込みによって好悪の感情が生まれ、本来なら理解しあえるところが、長年に渡って反目しあったり、戦い続けたりしています。自分の立場や主張からくる勘も大切ですが、たまにはそれを意識的に横に於いてみることも必要だろうと思います。
baseheat様
相手の意見に耳を傾け、相手の立場を尊重できる様になる為には、まず自分自身の明確な意見を持ち、またどの様な突発事にも対処できる準備を整え、心に余裕を持てる環境作りが重要だと思います。
世の中の様々な紛争や対立は、相手の意見に耳を傾ける心の余裕を持てないほど自我が未熟である為に、自分を見失うまいと殊更に自己主張を強調した結果として生じる場合が少なくないと感じております。
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