2010年2月10日水曜日

三島由紀夫霊が『田母神塾』を読んでみた(その17)

今回と次回は「東京裁判の真実」をテーマとして取り上げます。
そのうち今回は、東京裁判で『梅津美治郎』陸軍大将の弁護を担当した『ベン・ブルース・ブレイクニー』氏についてです。
ブレイクニー弁護人の、米国による広島への原爆投下を例に挙げて、国策として遂行された戦争責任を個人に求める事の誤りを訴えた発言が知られております。
ブレイクニー氏にとっては敵国の軍人の弁護となるのですが、弁護士としての責務を果たす為に尽力されました。

『三島由紀夫』と名乗る霊は、ブレイクニー氏をどの様に見ているのでしょうか。





【東京裁判の真実①】
東京裁判でアメリカの戦争責任を説いた米軍人について

ここで語られているブレイクニー陸軍少佐は、弁護人としての意識の高い人物だったのであろう。
だからこそ、彼らから見れば敵国の人間の弁護であっても、公正な判断を心がけ、議論を展開する事ができたのだ。
このように、公正に物事を判断できる人物がいるアメリカという国は、やはり懐が深いのだろうと思う。
確かに、不公正な裁判により、不当な罪で多くの日本人を裁いた者達もアメリカ人だ。
だが、そのような中にも、ブレイクニー少佐のような人物も同時に存在していた。
そして、その状況を許容していたのだから、アメリカにおける自浄能力も正常に働いていることだろう。
例え、アメリカにとって不利な発言は記録から削除されていたとしても、ブレイクニー少佐が弁護人として働き続けた事実を考えてみれば、アメリカもただ、傍若無人に振舞っていただけだとは言えないのだろう。
ブレイクニー少佐を弁護から外し、アメリカにとって都合の良い発言をする人物に交代させる事も当然可能であっただろうに、それをしなかったのだ。
日本に対して、ここまで矛盾した罪を押し付けたのだから、弁護人の交代くらい大した事では無いだろう。
でも、それをしなかったのだ。
この一つの事実を見ただけでも、アメリカもただ権力を振りかざしている国という訳ではないという事を現わしているのではないのだろうか?
当時の複雑な国内事情も、少なからず関係してはいたのかもしれないが…。
だからと言ってアメリカが犯した罪は消える事はないであろうし、日本が受けた傷が消えて無くなってしまう訳でもない。
アメリカがしてきた事には確かに矛盾があるのだが、懐の深さを見せる一面を持っている事も、また事実なのだ。

ある程度の偏りはどのような世界にも存在しているし、多くの矛盾を抱えてもいる。
だが、大切なのは、偏りに気付いた時点で改善策を打ち出し、安定へと導けるだけの柔軟性があるという事なのだ。
そのような活動を通して、徐々に国家として成熟して行くのではないのだろうか。
そういう意味で考えて見れば、アメリカが大戦後に世界をリードして行けるだけの力を有していた事実も頷ける事なのではないのだろうか。

(2010年1月16日)





三島由紀夫霊の指摘は重要で、敵国の軍人の弁護に最善を尽くしたブレイクニー弁護人の姿勢はもちろんのこと、連合国側にとって都合がよくないはずのブレイクニー氏を解任しなかった米国の姿勢についても、日本としては慎重に見つめる必要があると思います。
実際の裁判時点では成果に繋がらなかったとしても、現代になってブレイクニー氏の発言が見直され、東京裁判についての評価――大東亜戦争についての評価を見直す材料となっているのですから。

三島由紀夫霊 & 【Silvercord】管理人 

2 件のコメント:

はつゆき さんのコメント...

東京裁判といえば、日本ではインドのパール氏が有名ですが、アメリカにもこんな立派な弁護士がいらっしゃったんですね。
アメリカ的には弁護士ひとりで大局は変わらないから放置した面もあったのでしょうが、放置するほどフトコロが深いのも事実で、それは賞賛に値するでしょう。

国内外とも世間では戦争責任を問う姿勢が多いですが、戦争時の善行に対する賞賛も併せて行うのも大事だと思います。第二次大戦ほど昔の戦争なら、それができる時期が来ているはずですから。

Silvercord管理人 さんのコメント...

はつゆき様

東京裁判におけるインド代表判事であったパール博士と同様に、オランダ代表判事のレーリンク博士や、フランス代表のベルナール判事が、判決に反対する意見を表明しております。
また、ブレイクニー弁護人と同様の立場から、連合国が日本を挑発した為に戦争が勃発したことを論証した、米国のウィリアム・ローガン弁護人を始め、当時から東京裁判の正当性に対する疑問の声が少なくなかったことを指摘しておきたいと思います。